ブーフーとブールのあいだ

between boohoo and Boole

人間ってやつはいつの時代も懲りないよね / 「猫のゆりかご」

何度読み返したことだろうか?

 

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

 

 1963年発表。

ナンセンス、たわごと、カルト的要素、皮肉をユーモアで包み込んだ自分たちで世界を滅ぼしてしまう人間の愚かさの書

人間の歴史が続くかぎり、この書は図書館に、書店に、そして自分の本棚に置いておき、いつでも読めるようにしておくべきだと思います。人間ってやつはいつの時代も懲りないよね、って思ったときには特に。

はじめ神は大地を創造された。そして、広大無辺な孤独のなかから地上を見おろされた。

 そして神は言われた。『泥から生き物を作りだそう。わたしのしたことが、泥に見えるように』神は、動きまわる生き物を種類にしたがって創造された。その一つが、人だった。

(作品内に出てくる「ボコノンの書」より)

 

登場人物たち

これから紹介する登場人物たちをながめていったいどんな物語が巻き起こるのか想像できますか?ヒントは世界が終末をむかえます。

 

ジョーナ

 この物語の語り部。フリーランス作家

 『世界が終末をむかえた日』執筆取材をしていくなかでキリスト教徒からボコノン教徒に改宗する。

 

高名なハニカー一家

 

フィーリクス・ハニカー博士

 ジェネラル金属の学者。原子爆弾の父。ノーベル賞受賞。

 

アンジェラ・ハニカー

 ハニカー博士の第一子、長女。

 クラリネットを吹くのが唯一の趣味

 

フランクリン(フランク)・ハニカー

 ハニカー博士の次男。間諜X9号。模型の虫。逃亡犯人。サン・ロレンゾ共和国科学大臣兼進歩大臣。

 

ニュート・ハニカー

 ハニカー博士の三男。こびと。

 

エミリー・ハニカー

 ハニカー博士の夫人。

 

 

ニューヨーク州イリアムの人びと

ハニカー博士がおおくの業績をあげた地

ハニカーの子どもたちが成長期を過ごした地

 

エイサ・ブリード博士

 ジェネラル金属研究所担当副社長

 

ネオミ・フォースト

 ブリード博士の秘書

 

フランシーン・ペフコ

 ジェネラル金属のタイピスト

 

ライマン・エンダーズ・ノールズ

 ジェネラル金属のエレベータ係

 

サンドラ

 ホテルのバー<ケープ・コッド・ルーム>にいた娼婦。フランクリン・ハニカーとハイスクール時代の同級生

 

マーヴィン・ブリード

 エイサ・ブリード博士の弟、墓石販売アヴラム・ブリード父子商会の店主

 

ジャック

 ジャックのホビーショップ店主

 

舞台はサン・ロレンゾ共和国

「マッケーブとジョンスンは、サン・ロレンゾをユートピアにしようと夢想したのである。

 この目的達成のために、マッケーブは島の経済と法律をオーバーホールした。

 ジョンスンは新しい宗教を作った」

アール・マッケーブ

 海軍脱走兵、独学の理想主義者

 

ボコノン(ライオネル・ボイド・ジョンスン)

 トベーゴ島出身、イギリス国籍

 

ミゲル・“パパ”モンザーノ

 サン・ロレンゾ大統領、島の独裁者

 マッケーブ伍長の召使頭から独学で大統領の地位を得た

 

モナ・アーモンズ・モンザーノ

 “パパ”モンザーノの養女

 胸がはりさけるかと思えるほどに美しい女性

 

ジュリアン・キャッスル

 徴兵忌避者。砂糖成金、<ジャングルの希望と慈悲の館>と呼ばれる無料病院の設立者

 

フィリップ・キャッスル

 ジュリアン・キャッスルの一人息子。ホテル「カサ・モナ」の支配人兼所有者

 『サン・ロレンゾーその国土、歴史、国民』の著者。モザイク画家

 

ホーリック・ミントンと夫人のクレア

 サン・ロレンゾ駐在の新任アメリカ大使

 

H・ロウ・クロズビーと夫人のヘイルズ

 シカゴで自転車工場を経営。サン・ロレンゾへ工場を移す

 

ネスター・アーモンズ

 モナの父。フィンランド人。建築家。

 <ジャングルの希望と慈悲の館>を設計

 

ドクター・シュリヒター・フォン・ケーニヒスワルト

 ドイツ人。 “パパ”モンザーノの主治医

 

ヴォクス・ヒューマナ博士

 サン・ロレンゾのキリスト教牧師

 

こんな人びとも出てきます

 

ズィンカ

 ニュートン・ハニカーのガールフレンド。ウクライナ人。ボルゾイ舞踊団のダンサー

 

ハリスン・C・コナーズ

 ファブリ・テック社長。アンジェラの夫

 

シャーマン・クレブス

 貧乏詩人。ジョーナが長期旅行中にアパートを借りていた男

 

さいごに

いかがでしたか。

ところで、物語のなかで出てくる「ボコノンの書」が出版されたら多くの人々が秘密裏に買って行くのではないでしょうか。もちろん、私も隠れて買います。

 

 

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

 

 

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